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トーベ・ヤンソン生誕100年記念 MOOMIN!ムーミン展

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- 松屋銀座8階 イベントスクエア -

全国10会場を巡るムーミン展、銀座での展覧会を訪れました。

東京での展覧会には決まって言えることですが、平日といえども人がごった返し、それほどじっくりみることは叶いませんでした。大盛況なのは良いことなのですけど、地方の会場に観に行けたらよかったなあと思わずにはおれません。

そんな中でも、丹念で細かなトーベのペン画を眺めていると、ムーミンとスニフの駆けてゆく森の道や、川辺にかかった橋とスナフキンのハーモニカの音色、ムーミンママの魔法のような調理台…とにかく物語の中の様々な冒険や愛情深い生活が思い起こされて、心がはるか遠くに飛んでいくようでした。

ムーミンの本を読んでいなければ、挿絵だけを取り出してみせたこれらはもしかしたらたいそう不穏で寂しく感じられる絵の数々かもしれません。ひとりきりの寂しさやちっぽけであることの心細さ、ただただ受け入れることしかできない大自然の驚異への畏敬の念…そういったものは確かに見え隠れしていますし、ムーミン谷の冬の物語の挿絵をみている時には、ひとり目覚めてしまった時のしんと凍えるような孤独が思い出されもしました。

それでも、ムーミン谷の物語の根底にはトーベの幸福な子供時代の記憶が流れ続けているし、トーベはスナフキンにこう言わせます。「冒険物語じゃ、必ず助かることになってるのさ!」(ちょっと違うかもしれませんがニュアンスとしてこんなセリフ)なぜだかこの言葉がずっと心に残っていて、不思議な信頼感を抱いています。暗い針葉樹の森を歩いて歩いて悲しいくらい心細くても、光り輝く野原に飛び出していく瞬間がその先に待っている。ムーミン谷の物語は私にとってそういうものであると改めて思い出しました。

絵のひとつひとつはとても小さく、それでも文庫でみる挿絵よりはよくみることができました。とくに「ムーミン谷の彗星」の挿絵は好きなものばかり。色々な風景がありますね。天文台の絵がとても好きで、写真をとって待ち受けにしていたこともありました。原画を観ることができて本当にうれしかった。

ムーミン展にあわせて、隣接したフロアで北欧フェアが開催されていいました。リサ・ラーソンストアもありました♪ひやかしただけですが面白かった。

そのリサ・ラーソン展が今年の9月にやってくるそうで…また松屋に行かなければなりません。

リサ・ラーソンのマイキーピンバッジ(赤)