aurora-blog

映画、読書、アニメ、ドラマ、雑感の備忘録

『エトワール』『紅の豚』『花とアリス』

「エトワール」
バレエの名門、パリ、オペラ座の舞台裏を映し出すドキュメンタリーフィルム。淡々としていて、陰影が美しくて、とても好きな映画です。DVDが欲しいくらい。
エトワールとはフランス語の"星"でありバレエ団の中のトップダンサーたちの名称でもあります。その高みにむかってぴんと伸ばされた背筋、爪の先まで張りつめた神経がかよっているあの気迫に胸を打たれ、身体が言葉以上のものを語るということの意味を知ります。
「バレエを生きているの
愛しているという言葉では弱すぎる」

紅の豚
テント、パラソル、ラジオにワイン、ポルコの素敵な住処。海に浮かぶジーナの秘密の花園。フィオにせがまれて語る神秘的な雲の平原での話。ラピュタをみるんだいと思って嬉々として訪れたツタヤで、なぜだか結局こっちを借りてしまった。大好きなジブリ作品のひとつです(ほとんど好きなんだけども)。ポルコとジーナの関係すきだな。

花とアリス

花とアリス」という響きの可愛さが耳に残っていて、ずっと気になっていました。一度みて、その日のうちにもう一度みてしまった。
軽やかな音楽、柔らかな光、さらっと進んでいくところと時間が止まっているかのように感じるところ。淡々とした中の登場人物のちょっとした反応、会話、表情に、時々軽く吹き出してしまう。
題名から、花とアリスの友情物語なのかなと思っていたのだけど、観てみると、これは花の物語とアリスの物語が交わり波紋をおこしながらも寄り添い横に並んでいるんだと感じました。クライマックスはお互い別々だけれども、すこしずつお互いが存在が見え隠れする。うまいな、と思いました。

それにしたって、花もアリスも、繊細でナイーブかと思えばとても大胆で大雑把で、等身大で自然でした。素敵だとおもったのは、花もアリスも、あの歳にしてたくさんの世界をもっているということ。家、学校、バレエ、落語、モデルの仕事、好きなひととの時間、友達との時間…
微妙な三角関係が、微妙で繊細な距離を保っていたのは、そのおかげのように思います。

花とアリスに振り回される先輩の男の子も、ああいう無口で動作に力のない子っている!と思いました。なすがままなのが可愛い。地味に熱心でクールで、優しいところもいい。花は本当に彼のことが気になっていて好きで好きで、それがあの行き過ぎた行動をとらせてしまったのだけれども、巻き込まれたアリスが彼に父親の影を重ねていたところも切なかった。「時々思い出して」というのは、もちろん惹かれつつあった彼に言っているのだけど、その根っこにあるのは父親を求める気持ちなのかも、と思う。

そしてバレエ!バレエ教室の雰囲気にはとても心を惹かれました。吹き抜けの高い天井、古びた木造と、鏡張りの壁、光がたくさん差し込んでいるところ。
ラストにアリスが踊った部屋も素敵だった。白くて窓がたくさんついている広い部屋。

 

エトワール デラックス版 [DVD]

紅の豚 [Blu-ray]

 

花とアリス [Blu-ray]